子どもセンター ビ・リーブ

シンポジウム参加報告 「心理的安全性」

去る6月4日特定非営利活動法人つなご(兵庫県尼崎市)が市民向けシンポジウムを開催しました。テーマは,『心理的安全性』です。ズームで参加しました。

つなごさんは,子どもシェルター(開設6周年)と自立援助ホーム(開設3周年)を運営しています。

今年度は,この『心理的安全性』というテーマで,活動報告の後,兵庫県尼崎総合医療センター小児科医の上村克徳氏が『こども支援における心理的安全性~組織における「構造」と「対話」~』という講演をしました。その後,つなご理事内海氏(弁護士),つなご理事羽下氏(臨床心理士),西宮こども家庭センターの落合氏と講演した上村医師が加わり,パネルディスカッションを行いました。

 

上村医師の講演は,普段とは違う視点でこども支援について考えさせられるものでした。こども支援などの対人援助職は,「感情労働」と言われるものです。感情労働とは,情緒的なエネルギーや心のエネルギーを大量に消費し,精神的に消耗・疲弊していても周囲に気付かれにくく,評価の対象と認識されにくいものとされています。

最近,経営学で最も注目されるキーワードの一つが「心理的安全性」と言われるものだそうです。「心理的安全性」とは,一人ひとりが恐怖や不安を感じることなく,安心して発言・行動できる状態のことを指すそうです。成功するチームの共通点を調べたら,メンバーよりも場の状態がチームの成果を決めることが分かったそうです。成功の5つの因子が心理的安全性,相互信頼,構造と明確さ(チームの役割,目標が明確),仕事の意味(自分にとって意味ある仕事と感じる),インパクト(仕事に意義があり,良い変化を生むと思っている)だそうです。チームのパフォーマンスを高めるためには,職場の心理的安全性を高める必要があるということです。

結果を追い求めるのではなく,お互いを尊重して一緒に考えるように関係の質が変わると,良いアイデアが生まれ,行動に繋がり,結果を生むとのことです。「結果を追うと結果が逃げる」という逆説的なことが生じるのです。だから,遠回りに見えても,「関係の質」,「行動の質」がよくなるように考えていくことが必要だということです。

 

お互いを尊重して意見を出し合う「場」を確保することが大切だと感じました。職員がそのような考え方でいることによって子どもたちが安心できる生活を形作りことができ,職員の姿から関係性を学んでいくことができるのだと思いました。