子どもセンター ビ・リーヴ

本のご紹介

『児童養護施設という私のおうち』

田中れいか・著(株式会社旬報社)

 

著者の田中さんは,児童養護施設出身者でモデルをしています。

田中さんは,社会的養護の子どもたちへの理解の輪を広げる講演活動や情報発信をしている方です。田中さんは,児童養護施設や社会的養護を知らなかった人が気軽にアクセスできる情報源が少ないと考え,2020年4月に社会的養護専門情報サイト「たすけあい」,社会的養護専門たすけあいchを創設しました。

この本もその活動の一環です。「児童養護施設」という名前を知っている人でも,その内容はほとんど知らないということから書かれたとのことです。著者が児童養護施設に入所してから成長していく段階,退所と退所後のさまざまな体験が書かれています。さらに,養護施設とは何か,養護施設の生活などについて養護施設の職員さんなどが詳しく説明をしてくれています。

社会的養護の中で,児童養護施設と自立援助ホームはちょっと違いますが,ホームには児童養護施設を経験している子どもも入居します。

世田谷区長保坂展人さんに「せたがや若者フェアスタート事業」などについてインタビューした記事も掲載されています。

この本の帯に『「かわいそう」はもう古い!』と書かれているように,どんな境遇を経験していても一人の人間として尊重し,付き合うことが大切だと改めて思います。機会があったら是非手に取ってみてください。

 

※「社会的養護」とは,保護者がいなかったり,適切な養育を受けられなかったりする子どもたちを公的責任で保護・養育するとともに,これらの家庭を支援する仕組みのこと。